もうすぐX'mas
Original Song:「もうすぐX'mas」by 川島あい
Writer:あいぽ
あわぁっ……!
気がついたら、もうこんな時間だよ……。
私は、お誕生日に木村くんから貰った、お気に入りのミッキーの時計に目をやった。
入学式で逢った時から、ずっと大好きな大好きな木村くん。
この三年間、まるで恋愛ごっこみたいな関係だった木村くん。
そして――。
明日のクリスマスには、ちゃんと彼氏と彼女になりたい木村くん。
明日はクリスマスイブ。世界中がハッピーになれる日。
あいぽもちゃんと幸せになれるかな?
私は、明日のクリスマスに木村くんを誘おうと、何度も何度も電話をしようとしたけど、今の関係が壊れるのが怖くて勇気を出せず、ただ時間だけが過ぎて行くばかりだった。
気がついたら時計の針は、もうすぐ深夜の0時を迎えようとしていた。
明日、渋谷の街はきっと宝石箱をひっくり返したようにキラキラしてるんだろうな……。
木村くんと、手を繋いで一緒に歩きたかったなぁ。
私は自分の勇気のなさが悔しくて、なんだか世界中でたった一人ぽっちみたいに悲しくなって、ミッキーの時計の針がカチカチと進むのだけをただ茫然と見つめる事しか出来なくなっていた。
ミッキーの針がちょうど深夜の0時を差した時だった。
バイブにしていたケータイが、いきなり動き出したので、私はそれに驚いた。
だけど、ケータイを手にした時に、私はもっともっと驚いたんだ。
だって――。
『あいぽ! メリークリスマス! 今日、終業式が終わったら一緒に出かけようぜ!』
き、木村くん……!
風邪ひいたのか、ちょっと鼻声だったけと、木村くんの声はあたたかく、私の心のしもやけをとかしてくれた。
☆ハッピークリスマス☆
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